崖の上のポニョ
謎に包まれてきたポニョのルーツを探る!!
(2009/08/04)

 公開まで謎に包まれてきた『崖の上のポニョ』。果たしてそこに込められたメッセージとは?作品のルーツを探る!!


和製『人魚姫』の誕生

 「人魚姫のようだ」と言われることの多い『崖の上のポニョ』。その二つを比較してみると確かに近い部分が見えてくる。『人魚姫』はデンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが書いた物語。ディズニーアニメ『リトルマーメイド』のイメージが強く定着していると言える。

人魚の王の娘は15歳の誕生日に海の上で美しい人間の王子を目にする。そして嵐によって難破してしまった船から王子を救ったのが人魚姫だったのだ。

 一方、『崖の上のポニョ』ではさかなの子ポニョが登場する。そしてクラゲに乗って家出してきた彼女がジャムのビンに頭を突っ込んで困っていたのを助けるのが人間の宗介だ。
 『人魚姫』では王子に恋をした人魚姫が美しい声と引き換えに魔女によって尻尾を人間の足に変えてもらう。王子の御殿で一緒に暮らすようになる人魚姫。
 ポニョと宗介はお互いが好きになる。父フジモトに海へ連れ戻されても、人間になりたい!宗介に会いたい!とポニョは地上を目指す。
 そして『人魚姫』では王子と結婚できなかったために泡になってしまう人魚姫。果たして『崖の上のポニョ』に待ち受けている結末とは…?


監督が愛した鞆の浦

 海を舞台にした作品を描きたいとずっと思ってきたという宮崎駿。2005年の春に瀬戸内海・福山市鞆の浦(とものうら)の海に近い場所に家を借りたという。家族で滞在したこのときの2ヶ月の他、2006年には一人でこもって「ポニョ」の構想を練ったという。この場所を瀬戸内海のほぼ中央に位置し、古くから「潮待ちの港」と呼ばれてきた。今でも古い町並みが残っている。


水没する町

 物語のクライマックスで宗介の住む町が水没してしまう。宮崎ファンなら「ルパン三世 カリオストロの城」のラストシーンを思い浮かべることだろう。今回、監督がこだわった点の一つが「すべて手書き」ということ。つまりコンピューター(CG)を一切に使わないという骨の折れる作業に挑んだ。中でも波を書くのは並大抵の作業ではなく、それでもこのこだわりを守った理由は「アニメーション」の原点に帰ろう!という願いがあった。


文豪の影響

 宗介という名前は夏目漱石の『門』に登場する宗助に由来する。この宗助は崖の下に住んでいるという。「ポニョ」の制作の前の時期、宮崎監督は夏目漱石の作品を熱心に読んでいた。初期の作品『草枕』に登場するミレイの「オフィーリア」。実際にイギリスでこの絵を見た監督が「素朴さへの回帰」を目指すきっかけになったとも言われている。ちなみに夏目漱石は旧暦の1月5日生まれ。宮崎駿は新暦1月5日生まれである。



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