ハチミツとクローバー
[第1話]
01/08放送

4月のある日、桜の花びらが舞うキャンバスで、建築科3年の竹本祐太(生田斗真)は、キャンパス内で見かけた少女に一目ぼれをしてしまう。
そんな大事な時、突然、彫刻科7年生の森田忍(成宮寛貴)と、建築科4年の真山巧(向井理)が現れて、無理矢理竹本を連れ去られてしまう…。

彼らの目的は山岳部が新入生だけに振舞う「伝説のカレー」を食べることだった。無論、在校生の彼らは「伝説のカレー」を食べる資格などないのだが、それを奪取するために奔走していたのだ!ところがなかなかGETできない…。

3人は山岳部の部員に成りすまし、手伝うふりをしてもぐりこみ「伝説の山岳カレー」食べようとするが、お目当てのカレーを皿に盛ったとき、陶芸科4年の山田あゆみ(原田夏希)が現れて3人を怒鳴りつけられる。
彼らがカレーを盛った皿は、あゆみがコンクールに出展しようとしていた作品だったのだ…。

そんな騒ぎのなか、竹本は建築科准教授の花本修司(村上淳)から呼び出しを受け、そこで竹本は少女に再会する。
彼女は浜田山美術大学の油絵科に入学するため、長野から上京したばかりの花本はぐみ(成海璃子)だった。

その夜、花岡先生ははぐみを連れて大学の施設を見学させていた。
ある工房で森田の創作した彫刻を目にしたはぐみは、突然、何かに突き動かされるように油絵を描き始める…。

一方、真山が好きなあゆみは、真山が探していた建築の書籍を見つけるため、古本屋を回って探し歩いていた。

「どうしても見つからないんだよな」

真山が雑談中に話していたように、その本はなかなか見つからない…。それでも、真山のためにと古本屋を探すあゆみは、とうとう「本」を探し当てた。


翌日、あゆみは「イタリアンレストランでの食事と引き換えに、真山のほしがっていた本を譲る」と交換条件を出す。喜んでOKする真山。

ところが、そこに原田(瀬戸綾香)からの電話が…。

「仕事を手伝って欲しい…」と電話が入ると、真山はあれほど入りたがっていたゼミの面接もあゆみとの食事の約束も蹴って仕事を手伝うことを承諾し、急いで雨の降る外に走りだしたのだった。
真山の後姿に涙するあゆみ…。あゆみは真山のことが好きだったのだ。

真山はアルバイト先の建築デザイナー・原田が好きだった。ところが、原田には忘れられない人がいて、他の男の人は受け入れられなかった。
急ぎの仕事が終わったとき、突然、原田は真山に「アルバイトは今回の仕事で終わりにしましょう」と告げられる。

突然の出来事に、真山は呆然と原田を見つめることしかできなかった。

一方、森田と竹本はコンクールの結果を観に行っていた。2人は当然、森田が優勝だと思っていた…ところが優勝したのは花本はぐみだったのだ。
その絵を観た森田は、「他の人の作品を観て感動したのは本当に久しぶりだ!」と、突然走り出し、はぐみの元に駆け寄ると、彼女を抱き寄せてハグする。
そんな森田に「わたしも森田さんの作品、好きです」と、はぐみは微笑みかけた。

その様子を竹本は複雑な思いで見ていた…。

真山のことで泣いていたあゆみを励まそうと、森田は陶芸室の焼き釜でピザを焼くことを提案し、早速、竹本と真山に材料調達を頼む。

森田のところに向かう途中、竹本ははぐみを見かける。

手を伸ばしても届かないものを、なぜ人は追い求めずにはいられないのだろう…。

「はぐみちゃん。コンクールの絵、ここの景色を描いたんだよな」竹本がいうと、はぐみはそっと微笑む。

「東京の学校はどう?」
「わたしには絵しかないんです。田舎にいて絵しか描いたことがなかったから…」
「みんな楽しそうに生きているな、思い切り生きているな、と思いました」
「わたしがそう思えるのは、絵を描いているときだけなんです」

そんなはぐみの言葉を聞いた竹本は、皆のもとへ行こうとはぐみを誘った。

陶芸の釜で焼いたピザはとても上手に焼けていた。
はぐみがピザを食べると、「東京でピザを食ったら、仲間だからな!」と森田がはぐみにいう。
「本当ですか」と、はぐみが微笑むと「本当よ!」とあけみが答える。

笑いながらピザを食べる5人――。

過ぎてゆく時の中で、ボクは必ずこの日を思い出すだろう。
何かが確実に動き始めた、この春のことを…。

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01/08 第1話

キャスト
花本はぐみ / 成海璃子(なるみりこ)
油絵科に所属する18歳。あだ名で『はぐちゃん』などと呼ばれている。はぐみは花本修司の親戚。はぐみの父親が修司の従兄弟なのだ。
ズバ抜けた芸術の才能を持ち、世間から注目を浴びる。しかし、はぐみの外見や言動は決して大学生には見えない子供っぽさ。
さらに加えて、臆病で人見知りな性格を持つ為、竹本らと出会うまで本当の友達という存在が出来たことがなかった。
天才であるが故に修司や竹本等以外からは敬遠されがちで、日々心の奥に孤独を抱えている…。
竹本祐太 / 生田斗真(いくたとうま)
建築科の19歳。周りからは竹本と呼ばれている。はぐみと並ぶこのストーリーの主人公。
母子家庭の環境で育ち、母の面倒を見る事に精を出していたが、母が再婚することになり生きがいをなくしてしまう。
生きる目標を失ってしまった祐太だが、手先が器用だった事が幸いし、美術大学に入学することに…。
素直で、且つ真面目な性格を持つ為、年上の人からは可愛がられる存在ではあるが、超が付く程の世渡り下手。
はぐみとの初対面の際、はぐみに一目惚れするが、当初は祐太自身もその感情に気付いていなかった。

大学卒業が近付いても自らの生きる道を見付けられず、自分が何をしたいのか悩み苦しむのであった…。
森田忍 / 成宮寛貴(なりみやひろき)
彫刻科を8年在籍後に卒業。その後、日本画科3年として再入学を果たす。
現在24歳で通称は森田さん。竹本や真山の先輩にあたるが、竹本と同様に森田もはぐみに一目惚れしてしまうのであった。
美術、CG、映画に歌唱力等あらゆる才能を持っているが、長期間学校を休んだり、単位数が足りなかったり、卒業制作に間に合わなかったりして留年を続けていた。
彼もまた周りの人間には理解し難い、天才と呼ばれるべき人物なのである。
女の子には割とモテるが他人の言葉に耳を貸さない故、彼女はなかなか出来ない。もちろんはぐみにも自分の気持ちを素直に伝えることは出来ず…。
原田理花 / 瀬戸朝香(せとあさか)
原田デザインの経営者である、通称リカさん。美人だが無愛想な性格が災いしなかなか取っ付きにくい。
建築デザイナーとしては、支持するファンも多いが、過去に自分の過失で自分の夫を事故死させた事を悔い、自分を責める毎日ながらも、残された事務所を一人で切り盛りしている。
理花自身も夫をなくした事故により左半身に深い傷を負い、後遺症から移動には杖を手放せない。
修司や真山の優しさを理解しつつも、自分が彼らを傷付けてしまう事を知って距離を置こうとするのであった…。
真山巧 / 向井理(むかいおさむ)
山田あゆみ / 原田夏希(はらだなつき)
勅使河原美和子 / 滝沢沙織(たきざわさおり)
野宮匠 / 柏原崇(かしわばらたかし)
山田大五郎 / 泉谷しげる(いずみやしげる)

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