「バンビーノ」第3話完全版

一週間でもっとも忙しい恐怖の週末がやってきた。まだまだ仕事に慣れない伴省吾（松本潤）・通称バンビは先輩シェフ・香取（佐藤隆太）をアシストをするはずが空回りしてちっともアシストになっていない。
その姿を見るに見かねた桑原（佐々木蔵之介）は「無駄な動きが多すぎるから､疲れるし邪魔になる。優先順位を考えて動け」と告げる。この日から仕事終わりに厨房で自分の動きをシミュレーションする日々が始まった。その様子をマネージャーの美幸（内田有紀）と給仕長・与那嶺（北村一輝）､桑原は面白そうに隠れて見ていた。
　翌朝､出勤したあすか（香里奈）は床に寝ているバンビに驚く。　どうやら､省吾の自主トレは朝まで続いていたようだ。そんな練習の甲斐もあり､バンビは香取の指示が出るより早く材料､皿を整えるなど､自分のペースで動けるようになり始めた。
そして､忙しい日々が続いた研修も明日がいよいよ最終日。
多忙な毎日から解放され､さぞ喜ぶのかと思いきやバンビの表情は暗い。そしてさらには「もうちょっとここへ置いてもらえないでしょうか。せめて料理を作れるようになるまで…」と言い出したのだ。というのも､省吾はバッカナーレに来た初日にパスタを調理したとき以来､一度も料理をさせてもらえていなかったのだ。
しかし宍戸は断った。「オレたちは人生かけて料理をやってる。それをせめて料理が作れるまでなんて､お前の自己満足のために働かせるわけがない。だいたい親に金出させて行ってる大学はどうする！」宍戸の言葉は厳しかった。しかし､文句の付け所のない回答に省吾は何一つ返す言葉が見つからなかった。
ただ､省吾に熱意に宍戸はバンビのためにペスカトーレを作る。「もう何万皿つくったことか…」宍戸は自分の昔を思い出していたようだ。省吾は宍戸の気持ちをパスタの味に感動し涙をこぼすのであった。
そして翌日､省吾は空港へ移動する前にまかないを作る。一つ一つ丁寧に調理したまかないが完成し､省吾は旅立っていった。
省吾の去った後､まかないを食べた者達の表情は明るく､省吾がまたやってくることを信じているようにも見えた…。