藤田まことさんの告別式｡ファンの｢もんどー｣の声に送られ最期の別れ

(02/20)

大動脈からの出血のため17日に死去した俳優､藤田まことさん(享年76)の葬儀･告別式が19日､大阪･豊中市の寺で密葬として執り行われた｡

出棺では喪主で長男の原田知樹さんが位牌､妻の幸枝さんはスーツ姿でほほ笑む藤田さんの遺影を胸に抱き､約50人の参列者の涙を誘った｡

遺体には生前､歌謡ショーで愛用した黒のタキシードを着せ､大好きだったステージに送り出すように見送ったという｡

一緒に納められたのは､亡くなる直前､病床の藤田さんに届けられた｢必殺仕事人｣の次期シリーズの企画書だけ｡

藤田さんと30年以上､苦楽を共にしてきた所属事務所｢オフィス斉藤｣の斉藤社長は｢藤田さんはものにこだわらないタイプ｡本当に仕事に熱心な人で､趣味と言ってもゴルフくらい｡一緒に入れるものはありませんでしたよ｣と明かした｡

｢てなもんや三度笠｣で藤田さんと名コンビを組んだ白木みのる(75)の弟子だった西川きよし(63)は､｢若手時代､本当によくしていただいた｣と大粒の涙｡

｢1度弟子入りを申し込んだことがある｡僕が売れた後､藤田さんは"オレが言われるまま弟子にしていたら､今日のお前はないぞ"と冗談交じりに話していた｣と振り返った｡

また､出棺を見送ることなく足早に寺院を後にした森元首相は｢10年ほど前に知り合って選挙の応援にもきてくれた｣と､故人をしのんだ｡

寺の外にもファンが集まり､｢必殺｣シリーズで藤田さんの当たり役だった中村主水(もんど)を思い､｢もんどー｣と呼び掛ける声が響いた｡

戒名は､藤田さんがよく色紙に書いていた｢修芸生涯｣の言葉から取った｢壽量院修藝日眞居士(じゅりょういんしゅうげいにっしんこじ)｣｡後日､お別れ会を開く｡日時､場所などはこれから決めるという｡(松野)