ガガガSP、震災13年その日に地元・神戸で復興ライブ

(01/06)

メンバー4人が神戸市で生まれ育ち､阪神大震災で被災経験のある人気ロックバンド「ガガガSP」が震災から13年目を迎える今月17日､同市中央区の「神戸スタークラブ」でライブイベントを開く。

「産経新聞」によると､ボーカルのコザック前田（こざっくまえだ=28）は「震災は大変なことで､その日を思いだしたくない人もいるかもしれない。辛いことを忘れさせてくれるようなライブにしたい」と話している。

ガガガSPは平成14年にシングル「卒業」でメジャーデビューを果たした。これまでに震災犠牲者への鎮魂を込めた「満月の夕（ゆうべ）」を発表。さらに主催イベントを「長田行進曲」と命名するなど､メンバー全員が強い地元意識を持っている。

また､15年1月には同市長田区で復興フリーライブを開催。被災者だけでなく全国から約1万人の若者たちが訪れた。

「普段はおじいちゃんやおばあちゃんの多い商店街に多くの若者が集まった。1日だけとはいえ､盛り上げることができたことに意味があった」

そう話す前田も神戸市須磨区で被災した。自宅は半壊し､避難所生活を送った。「震災は天災。誰のせいでもないし役所を責めることもできない。自分の力で家や､なくなったものとかを復興させるしかなかった」と思い返す。

一方でギターの山本聡（やまもとさとし=26）は「“感動してくれ”とかお客さんに押しつけがましいことを言うことはできない。僕らは演奏してお客さんに楽しんでもらうだけ」と謙虚だ。

年明け早々のライブは､「辛い日を忘れられるように」と1月17日に決めた。しかし､「歌で心の傷を癒やしたい」との思いがあるためライブに徹し､イベントのような要素は盛り込まず､あえて震災色を出さないようにしているのだという。

前田は「被災してない人に言われたら腹が立つやろうけど」と前置きした上で､「ロウソクを灯したりとか､震災のイベントがただの記念日に見えたりすることがある。歌というのは心の手助け。トラウマをいっぱい抱えた人もいるだろうが､そんな心の傷が本当の意味で軽いものになってもらいたい」とメッセージを込めている。

1月17日のライブは午後6時半開演。チケットは前売り2,000円。(松野)

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