活動弁士・山崎バニラを知っているか！？

(02/21)

山崎バニラ（やまざきばにら=30）という人が､今､注目されている。

この人は何をしている人かと言うと､踊りの振り付け､声優やテレビ番組・CFのナレーターなど､あらゆる方面で活躍している人。有名どころでいえば､二代目ジャイ子の声優さんと聞いてピンとくる人もいるのではないだろうか？

だが､実は山崎､本業は「活動弁士」なのだ。

活動弁士とは､活動写真､すなわち無声映画（サイレント映画）を上映する際に､映画の内容を語りで表現して解説する解説者のこと。「活動写真を弁ずる」ことから活動写真弁士､略してと活動弁士と呼ばれる。

もっとわかりやすく言うと､紙芝居（これも古いか）のおっちゃんが子どもたちに語りを聞かせていたようなもの。それの映画版だと思ってもらってもいいかもしれない。

といっても､サイレント映画が隆盛の頃というのは､明治時代の頃だったわけで､あたりまえの話だが､今､芸術的表現以外でのサイレントというのは一般的ではない。しかし､落語や歌舞伎､狂言のように､ひとつの伝統芸能的な意味合いで､今､活動弁士という職業が見直されてきているのだ。

山崎はその筆頭とも呼べる人気度があり､ゆえに注目度も飛躍的に高まっているわけだ。

山崎は､大学在学中に早稲田大学ミュージカル研究会に参加し､大学卒業後はその延長でダンサーや舞台俳優､声優として活動を始めた。しかし､自らの個性的な声を活かしたいという思いから､話芸に惹かれるようになり､2000年､活動弁士のオーディションに合格して活動弁士となる。その後は､大正琴やピアノを使っての､弾き語り形式を用いた新たな形態の活弁士として活動しているというわけだ。

映画に音声がついているのがあたりまえのこの時代だけど､ときには活動弁士の語る映画を観ると､映画の面白さがまたひとつ違った形で味わえるはずだ。（古田鉄寿）

注目ワード