テゴマスの新曲「アイアイ傘」に見たジャニーズ事務所の意地!?

ジャニーズ事務所のタレントの本業は、俳優とか司会とか、マルチに活躍するキャラクターが増えていても、やはり「歌」であることは変わらないだろう。

事実、ジャニーズのタレントたちが歌っている曲は、イメージングや楽曲そのもののクオリティなど、とかく力を入れているものが多く、重要なポジションにいるタレントになればなるほど大物アーティストからの楽曲提供なども盛んに行われている。

そんなわけで、歌がアイドルの生命線であることは間違いないのだが、CDなどの売り上げが激減し、正直ヤバめな音楽業界だけに、いい曲がすぐにヒットにつながるとは限らない。

SMAPをはじめ、TOKIO、嵐といった人気グループでさえも、なかなか難しいところだ。

しかしながら、その状況を思い切り覆そうとしているユニットがいる。

それが、テゴマスだ。

テゴマスについては、もはや説明する必要もないだろうが、あえて軽く触れておくと、NEWSのメンバーでもある手越祐也(てごしゆうや=20)と増田貴久(ますだたかひさ=21)によるボーカルユニットだ。

Jr.時代から、事務所の社長であるジャニー喜多川に歌唱力と声質を評価されていたテゴマス。

NEWSが結成されてからも、アルバム「touch」に収録されている「ずっと」、DVD「NEWSニッポン0304」に収録されている「ありがとう・今」などのオリジナル曲を発表していた。

その彼らが、“業界低迷の状況をくつがえそうとしている"名曲が「アイアイ傘」なのだ。

その曲名のとおり、傘を冠しているところから、いわば雨の日ソングの部類に入る。

雨の歌といえば、ASKAの「はじまりはいつも雨」や森高千里「雨」、プリンス「Purple Rain」などなど数多くあるが、梅雨の時期特有の、日本人のセンチメンタルな心を刺激するところから、ヒットの要因も高いとされている。

「アイアイ傘」は、テレビ東京系アニメ「ネオ アンジェリ−ク Abyss」のエンディングテーマとなっているので、耳にする機会もなくはない。

しかし、昨今の音楽業界の攻め手のように、とりあえずどんどん歌を露出させて聞かせなくても、一度聞くと手元にいつまでも持っておきたくなるのがこの「アイアイ傘」の魅力でもある。

その要因のひとつに、テゴマスと曲の世界観を見事にマッチした詩を書いた、作詞家のzopp(ゾップ=28)の存在があげられる。

代表作に修二と彰「青春アミーゴ」、山下智久「抱いてセニョリータ」など、一度聞くと忘れられないフレーズを書くヒットメーカーのひとりだ。

zoppの描く、純粋な世界観とテゴマスの奏でる美しいハーモニーがこの「アイアイ傘」という名曲を生み出しているのであれば、このコンビネーションを今後、どんどん聞きたいと思う人が増えても不思議ではない。

もしかしたら、低迷中のジャニーズを救うのは、やがて成熟するであろうこのコラボレーションなのかもしれない。(古田鉄寿)


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