あしたの、喜多善男
[第11話]
ネガティブな自分としっかりと向き合いひとつになった善男(小日向文世)は、予定通りの11日目に死ぬことを決めて姿を消す…。03/18放送
この11日間に善男と関わった平太(松田龍平)、みずほ(小西真奈美)、そしてしのぶ(吉高由里子)は、何とか善男を助けたいと、死んでほしくないと願う。鍵はみずほが握っていた。善男に、みずほが「行ってみたい…」と言った場所。ところが、みずほはその場所を思い出すことができない。
しかし、カウンセラーの江端(岩松了)に誘導され、次第にその場所を思い出して行く。
敏腕保険調査員・杉本(生瀬勝久)が、ここから怒とうの巻き返しを図る。みずほの夫・鷲巣殺しに使われた携帯電話のトリックから事件の真相をつきとめ、真犯人を突き止める。犯人は意外な人物――森脇(要潤)だったのだ。刑事を引き連れ、みずほの会社に乗り込み、まるで命探偵のように森脇の前でトリックを解き明かし、森脇は任意同行で警察へ連行される。
保険金殺人の疑いをかけられた、警察に捕まっていたリカ(栗山千明)だったが、悪徳金貸しが全員逮捕されたことで借金苦から逃れられることになり、善男の証言から釈放される。
善男に生きてほしいと願う宵町しのぶは、演技の台詞が善男への想いとオーバーラップし、迫真の演技で周囲を感動させる。
善男が最後の場所に選んだのは、みずほが結婚生活のなかで唯一、目を輝かせた絵のような光景が広がる場所だった。断崖絶壁に立つ洋館の屋根に上り、煙突の上に立ち、今にも海上にダイブしそうな善男。そこに現れたのは、平太だった。
平太は自分の正直な気持ちを善男にぶつける。そして「弱い人間でもいいから、死んでほしくない」と善男の足にしがみつく。今までずっと人に裏切られてきた善男が、生まれてはじめて、心の底から自分のことを思ってくれる、本当の友人を見つけたことに気づいた。
運命の11日目。善男は死ななかった。これからも、嫌な思いをする日もあるだろう。でも、楽しい日もある気がする――善男はスーツに着替えると職探しをするため、元気よく前に歩き出した。そんな善男を、平太は笑顔で見守っていた。
――弱くたって、いいじゃない。一生懸命、もがきながら生きていこう!
≪終≫
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キャスト
喜多善男(きたよしお) / 小日向文世(こひなたふみよ)とにかく、平凡な男。性格は真面目で人を信じて騙されやすい。
本人はB級の出版社に勤務し、人並みの生活ができれば――と思っているのに、親友の死や借金、離婚など、次々と不幸に見舞われ、親友の命日である11日に死ぬ事を決意し、残り11日間を楽しく生きようとするが、そこから、彼の大波乱人生が幕を開けてしまうのだった。
矢代平太 / 松田龍平(まつだりゅうへい)
キャバレーのスカウトマン。善男との出会いは偶然タクシーに乗り合わせてこと。善男が死のうとしているのを知り、彼を利用して保険金をせしめ様といろいろ世話を焼き始める。しかし、そのうち友情に似た“情”が芽生えはじめ…。
性格は大ざっぱ。人相は見るからに「悪い奴」だが、人生に不器用なところもある。
鷲巣みずほ / 小西真奈美(こにしまなみ)
善男と離婚した、元妻。11年前、善男と知り合う前は総合病院の看護婦だった。善男と離婚後に社長婦人となるが、2番目の結婚相手だった社長は事故死する。その後は、社長業を継いで女社長に就任したやり手の女性だ。
善男の記憶に残る「みずほ」は、優しくて家庭的な女だったのだが…。夫の事故死には不自然な点もあり、保険会社が身辺調査に入っている。
長谷川リカ / 栗山千明(くりやまちあき)
宵町しのぶ / 吉高由里子(よしたかゆりこ)
杉本マサル / 生瀬勝久(なませかつひさ)
森脇大輔 / 要潤(かなめじゅん)
三波貴男 / 今井雅之(いまいまさゆき)
片山 / 温水洋一(ぬくみずよういち)
小林社長 / デビット伊東(でびっといとう)
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