歌姫
[第9話]
12/07放送

太郎(長瀬智也)にキスしてしまった鈴(相武紗季)は動揺。太郎も平静を装っていたが、内心ではそのことが気にかかっていた。

美和子(小池栄子)は毎晩のように、メリー(遠山景織子)の店で太郎を待っていたが、彼は現れない。それでも、美和子は太郎が昔のことを思い出すまで土佐清水にいるつもりだった。

そんな中、泉(大河内奈々子)が産気づいた。女性たちはみな、泉についていき、残された太郎は美和子と二人きりに。美和子は一晩、一緒に過ごしてほしいと太郎に言う。肌の温もりを感じれば思い出すこともあるかも知れないというのだ。

泉は無事に女の子を出産。ひとしきり盛り上がった後、夜も更け、太郎はメリーの店に美和子に会いに向かった。太郎は酔った美和子を旅館へ送っていく。美和子は部屋に泊まっていくよう告げるが、太郎は拒否。美和子は太郎に自分と向き合ってくれたことを感謝する。

浜子(風吹ジュン)はオリオン座をのぞき込んでいる美和子を発見。二人きりで話がしたいと言って、海辺へ連れ出した。太郎はこの10 年間、本当の自分は何者なのだろうかと時折悩んでいる様子だったという。そして、浜子は太郎が幸せになるのなら、美和子と一に東京へ行くのも良いと思っていると告げた。旅館に帰った美和子は鯖子(斉藤由貴)に、本気で太郎を連れ戻す気がないのなら、早く一人で帰れと言われる。

泉の子供の名前は「華」と決まった。それが晋吉(西村清孝)の命名だと知った太郎は反論。この家では子どもが産まれたら勝男(高田純次)が名前を付けるしきたりで、ついこの間もそうしたと言う。だが、そんなしきたりはなく、最近出産した女性もいなかった。太郎はかつての自分の家の記憶と混乱してきているのではないかと鈴は動揺する。

太郎は勝男からそんなしきたりはなく、過去の記憶が戻っているのかも知れないと聞かされた。太郎は過去の記憶が戻っても、今のことを忘れていないのは幸せだと言い、かつての家にあったしきたりなのかどうか美和子に確認しにいく。

その頃、美和子のもとに山之内に現れ、太郎を連れて東京へ行くと告げられた。オリオン座に連れていかれた美和子は太郎には土佐清水での生活も、好きな女性もいるのだからもうあきらめて一人で帰ると言う。山之内は美和子に、太郎との娘のことはどうするのかと追及。娘は今まで通り、一人で育てていくと美和子が言う。そんな二人の会話を鈴が陰で聞いていた。そして、メリーの家から帰ってきた太郎に、美和子は別れを告げる。
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キャスト
四万十太郎、小泉旭(一人二役) / 長瀬智也(ながせともや)
四万十太郎
昭和30年代のシーンの登場人物。映写技師。映画館の主人に命を救われ、住み込みで働くようになって10年。かつての記憶を失い、四万十太郎と名乗っている。暴れん坊でケンカっ早い。映画、特に日活アクションシリーズの大ファン。鈴のことが気になっているが、かつて妻だったという女性が現れ、動揺する。

小泉旭
現代'07年のシーンの登場人物。母である大物歌手・さくらのマネージャー。さくらから人生が変わるかもしれないと言われて、意味も分からないまま、土佐清水へ出掛けていく。いわゆる今ドキの若者。
岸田鈴(きしだすず) / 相武紗季(あいぶさき)
映画館の手伝いをしている館主の娘。幼い頃から一緒にいた太郎に思いを寄せているが、素直になれず、いつもケンカばかりしている。見た目は可愛らしいが、料理はまるでできない。太郎が失った記憶を取り戻したら、自分たちと過ごした日々を忘れてしまうのではないかと心配している。そんな中、太郎の妻だったという女性が現れ、ますます気が気でない。
クロワッサンの松 / 佐藤隆太(さとうりゅうた)
土佐の狂犬と異名を取る愚連隊。フランスかぶれでクロワッサンが好きなため、この呼び名が付けられた。本人はオシャレなつもりでいるが、はた目にはビミョー。鈴に一目ぼれする。
芥川 / 秋山竜次(あきやまりゅうじ)
町を仕切っている山之内一家の手下。オカマっぽいが、歌はうまい。
神宮寺くん(じんぐうじくん)=ジェームス / 大倉忠義(おおくらただよし)
学校を休学して、四国お遍路の旅をしている大学生。旅の途中でオリオン座に立ち寄り、そのまま居着いてしまった。ジェームス・ディーンにあこがれ、髪型もファッションも完璧に意識している。
鯖子(さばこ) / 斉藤由貴(斉藤由貴)
旅館の女将。観光客やお遍路を見つけると、強引に自分の旅館に泊まらせてしまう。
岸田勝男(きしだかつお) / 高田純次(たかだじゅんじ)
オリオン座館主。鈴の父。町の人々からの信頼が厚い。かつては「土佐のダイナマイト」と呼ばれた暴れん坊だったらしいが、今ではすっかり落ち着いている。
岸田浜子(きしだはまこ) / 風吹ジュン(ふぶきじゅん)
勝男の妻。鈴の母。鈴と太郎の恋の行方を気にしている。太郎にかつて妻がいたということを誰よりも早く知ってしまう。

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