医龍2
[第1話]
10/11放送

チームドラゴンを解散し、明真大学付属病院を離れた朝田(坂口憲二)は、世界一の心臓外科と言われるアメリカの病院でその手腕を振るっていた。一方の明真は患者の数もすっかり減り、経営不振に。そんな中、伊集院(小池徹平)のもとに差出人不明で、チームドラゴン再集結を呼びかけるメールが届く。だが、朝田がいないばかりか、藤吉(佐々木蔵之介)は福岡、明真に残っている荒瀬(阿部サダヲ)もまるで覇気がない。

ある日、教授の江上(板尾創路)の助手として、オペに当たっていた伊集院はその手際の悪さを見かね、自分が執刀の続きを務めると申し出る。患者は無事に救われたものの、プライドを汚された江上は伊集院に、系列病院への異動を命じた。

そんな明真にかつてチームドラゴンを目の敵にしていた元教授の野口(岸部一徳)が帰ってきて、教授を含めた全医局員の人事権を持つリスクマネージメント部長という総長直轄のポストに就いた。伊集院は彼が帰ってきたことで、朝田の復帰は完全になくなったと落胆する。

その頃、藤吉のもとを拡張型心筋症の患者、富樫ゆかり(りょう)が訪れていた。手術する以外に治療法はないが、それは困難を極めるもの。藤吉はこの手術をできる医師は一人だけいると告げる。

そんな中、片岡(内田有紀)という女性がひき逃げされ、明真のERに運ばれてくる。だが、教授の鬼頭(夏木マリ)がいないERでは手に負えず、医師たちは処置を断念。すると、オペ室の扉が開き、朝田が入ってきた。朝田は荒瀬を呼ぶよう告げ、二人の絶妙なコンビネーションで片岡の命を救う。

江上は勝手にオペをした朝田のことを野口に抗議。だが、意外にも野口は大学の病院の因習などにとらわれず、患者を救うことが大事だと言って、朝田に拍手を送る。そして、朝田に胸部心臓外科の客員教授の座を用意すると言い、江上には山梨の病院へ左遷を命じた。

やがて、野口は明真の医療レベルを全国にアピールするための公開手術を提案。朝田にその執刀を依頼する。だが、朝田はオペは宣伝のための見せ物ではないと言い、野口から提示された高額の報酬を蹴って、それを拒否した。

朝田にもチームドラゴン再集結を訴えるメールが来ていたことが判明。そこへ、やはりメールを受け取った藤吉がやってくる。チームドラゴンの手で、ゆかりの手術を行ってもらうためだった。彼女は妊娠7カ月で、どこの病院でも子供をあきらめなければ手術はできないと拒否されていたのだ。だが、不妊治療の末、結婚14年目にしてようやく授かった子供をあきらめられないと、夫の剛(田中実)ともども中絶を拒否。藤吉は朝田なら、母子ともに救えると考えたのだ。

伊集院から朝田の腕を持ってしても手術は難しいと言われ、ゆかりは反発。辟易する伊集院に、朝田はすっかり一人前の外科医にでもなったつもりかと苦言を呈する。

剛も子供は諦めると言い出すが、朝田はオペを決行すると宣言。帝王切開で子供を取り出し、母体が回復したところで、バチスタ手術を行うというのだ。その言葉に荒瀬もうなずき、チームドラゴンによる術前シミュレーションが始まった。

だがもちろん、そんなリスクの高い手術を野口は認めようとしない。朝田は公開手術を引き受けるから、その代わりにゆかりの手術もさせろと言うが、野口の答えは一緒だった。すると、医療ジャーナリストだという片岡が野口を説き伏せたという。明真の名を出さず、別の病院でチームドラゴンがオペを行えばいいというのだ。

だが、公開手術前夜、ゆかりの容態が急変。公開手術とゆかりの手術を同時に行わなければならなくなる。いずれも朝田でなければ執刀できない困難な手術。朝田は公開手術を45分で切り上げ、ゆかりのもとへ駆け付けると宣言する。

そして、名誉教授となった鬼頭のもと、公開手術が始まった。45分で終わらせると言う朝田に、見学していた医師たちも取材陣も驚く。見事な手つきでオペを進行していた朝田は突然、執刀医の交代を告げた。そこに現れたのは、霧島(北村一輝)。その勝手な行動に野口は怒ろうとするが、敏腕外科医同志による豪華な交代劇に、見学者たちはどよめく。

朝田はゆかりのもとに到着し、無事に帝王切開による出産を完了。ゆかりも涙を流して、喜ぶ。だが、子供の心臓に異常が発見される。処置をしようにも朝田はゆかりのオペから手が離せない。意を決した朝田は、伊集院にゆかりのバチスタ手術を執刀するよう命じた。一瞬の迷いを見せる伊集院だったが、執刀を決意する。

子供の病状は難しい状態で、朝田ですら経験のない手術だった。藤吉も荒瀬も無謀だと言うが、朝田は鬼頭の携帯につなげと命じる。鬼頭は自分が到着するまで待てと言うが、そんな時間はなく、朝田は携帯で指示を受けながらオペを続行。鬼頭さえも手に負えない状態にまでなるが、手術を行いながら、新しい術式を探っていた朝田の手で無事に子供の命を救う。そして、伊集院も霧島も自らの手術を終えた。

だが、病院名を出さないはずだったにもかかわらず、翌朝の朝刊に明真がバチスタ手術に成功したと報じられる。実は片岡は他の病院を買収して非情な経営改革を断行し、非難を浴びている外資系投資会社の役員だった。その片岡が野口と結託して、明真やチームドラゴンを金儲けのために利用しようとしていたのだ。チームドラゴン再集結のメールを出したのも、ゆかりに藤吉の病院を紹介したのも片岡だった。伊集院はそのことに気付き、藤吉に伝える。
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10/11 第1話

キャスト
朝田龍太郎 / 坂口憲二(さかぐちけんじ)
万人のための医師団で世界最高レベルの医療チームを指揮していた天才外科医。明真大学付属病院に招かれて、チームドラゴンを結成。バチスタ手術という高度な心臓手術を成功させた後、難民キャンプに戻ったが、差出人不明のメールによって再び明真に帰ってくることに。金儲け至上主義の野口(岸部一徳)の方針に逆らったことから、提携先の北洋病院に移されてしまう。そこで、また新たなチームを作ろうとし、一癖も二癖もある医師たちの意識を変えていく。
伊集院登 / 小池徹平(こいけてっぺい)
明真大学付属病院胸部心臓外科の医師。研修医だった頃、朝田からチームドラゴンに入れられてしまい、反発しながらも次第に影響を受け、大きな成長を果たす。だが、今でも時折、医局の因習をとらわれた考え方をしてしまいがち。朝田とともに提携先の北洋病院に移されてしまう。
片岡一美 / 内田有紀(うちだゆき)
北洋病院を買収し、オーナーになった外資系投資会社役員。
明真大学付属病院の前でひき逃げ事故にあい、瀕死の状態だったが、突然現れた朝田により、命を救われる。自分は医療ジャーナリストだと偽り、朝田たちがバチスタ手術を行えるよう、便宜を図るが、実は自分の利益を考えてのことだった。北洋をつぶして、裕福な患者だけを相手にした人間ドックにしようと企んでいる。だが、野口(岸部一徳)が自分を裏切って、別の融資会社とも契約話を進めようとしていることを知る。
荒瀬門次 / 阿部サダヲ(あべさだを)
手術中の患者の状態を完璧に管理する天才的な麻酔医。過去に人体実験に加担してしまったことから自暴自棄に。チームドラゴンに加わることで、目覚める。チームが解散し、目標を失っていたが、朝田の復帰で再び意欲を取り戻した。かつて命を救った女性バーテンダーと結婚し、子供も生まれた。明真大学附属病院に残ったが、たびたび朝田たちの手術を手伝いに北洋病院に出向いていく。
霧島軍司 / 北村一輝(きたむらかずき)
朝田が北日本大学に在籍していた頃の同僚だったが、彼の腕に恐れをなし、策略によって追放してしまう。明真大学付属病院の教授候補として招かれるが、敗れてしまい、渡米してコロンビア大学の客員教授となる。その腕を信頼する朝田から、公開手術を手伝うよう頼まれる。
藤吉圭介 / 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)
朝田とチームを組んでいた明真大学付属病院の循環器内科の臨床医。チームドラゴンが解散した後、福岡の病院へ移っていたが、1通のメールによって明真大学付属病院に呼び戻された。だが、野口から関わるななと命じられていた患者の診察に当たり、朝田とともに提携先の北洋病院に移されてしまう。
里原ミキ / 水川あさみ(みずかわあさみ)
明真大学付属病院胸部心臓外科オペ看護士かつて朝田と同じ北日本大で働いていた看護師。
木原毅彦 / 池田鉄洋(いけだてつひろ)
明真大学付属病院胸部心臓外科助手。
自分の患者を朝田に蘇生され朝田を嫌いバチスタチームの邪魔をする。
鬼頭笙子 / 夏木マリ(なつきまり)
明真大学付属病院救命救急部教授。
野口賢雄 / 岸部一徳(きしべいっとく)
松平幸太郎 / 佐藤二朗(さとうじろう)
善田秀樹 / 志賀廣太郎(しがこうたろう)
西沢翔太 / 山本裕典(やまもとゆうすけ)
緒方美羽 / 黒川智花(くろかわともか)
黒田智樹 / 本郷奏多(ほんごうかなた)
高見香奈 / 川島海荷(かわしまうみか)


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