不毛地帯
[第10話]
12/17放送

妻・佳子(和久井映見)を事故で失った壹岐(唐沢寿明)は、ますます仕事に没頭した。その後、アメリカの近畿商事社長となった壹岐は、千代田自動車と米自動車産業・フォーク社との提携の道を模索する。交渉は困難を極めたが、陸軍士官学校の同期で韓国の企業・光星物産会長である李錫源の協力も仰ぎ、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)会談ののち、千代田自動車との提携を近畿商事に任せるという趣旨の委任状を取りつけた。もちろん、近畿社長・大門(原田芳雄)は大喜びだ。

壹岐は委任状を携えて日本へ一時帰国するが、その途中で韓国に立ち寄り、世話になった李を訪ねる。やってきた壹岐に、李は崔大統領(鶴田忍)と面会する機会を与える。そこで、現在、ソウルでは地下鉄の事業が計画されており、日本の援助を求めていることを知った。

日本に戻った壹岐は、まず、副社長・里井(岸辺一徳)を訪ねる。そして、千代田自動車の一件で連絡の不行き届きがあったことを謝った。さらに壹岐は、崔大統領から聞いた「韓国の地下鉄計画」について情報を伝えた。壹岐が持ってきた情報は里井を喜ばせる。さっそく「大門に伝えて対策を立てる」と上機嫌だ。その際、里井は“大門の後の次期社長”の件について壹岐に尋ねる。副社長のひとりである一丸(山田明郷)が次期社長になるべく派閥作りに熱心らしいのだ。それを聞いた壹岐は、次期社長は里井をおいて考えられないと答える。

壹岐は久々に古巣の東京本社にも顔をだした。すると今度は一丸に呼び止められる。壹岐の交渉のおかげで、韓国・合繊プラントが再検討されることになったのだ。一丸はとても喜んでいた。その際、一丸は壹岐に「里井に気をつけたほうがよい」と忠告する。一丸の話では、里井は壹岐が東京に戻ってきたら、関連会社に出すつもりだという。

その夜、壹岐は千里(小雪)の個展に現れた。千里から個展への案内状が届いたのだ。久々の再会に喜ぶ2人…。千里は最もお気に入りの青磁の壺を壹岐に譲る約束をする。

翌日、壹岐、大門、里井は、千代田自動車と千代田自動車のメインバンク・第三銀行との会談に出席した。壹岐は、提携に関するフォーク社側の意向を伝えるが、千代田自動車社長・森(大林丈史)はフォーク側が出した条件に反発した。近畿商事側は「フォーク社にも千代田自動車側の意向を伝え話し合うことを了承させている」と、森を説得した。

壹岐はニューヨークへ戻る前に東京本社へ顔を出した。里井と会うと、里井は「千代田自動車とフォーク社の提携対して通産省は肯定的で、外資の出資については1/3を目処に考えている」と伝えてきた。さらに、里井自身がデトロイトで「フォーク社との交渉をまとめる」と述べる。さらに、業務本部本部長の角田(篠井英介)をこの業務に参加させることを告げた。

壹岐がニューヨークに戻ってしばらくして、千里が訪ねてきた。食事をしたり、ダンスを楽しんだり…。2人は再び会うことを約束して別れる。

ある日、里井の訪米に先がけて、デトロイトを訪れ、フォーク側からの譲歩を引き出していた。その頃、里井と角田は壹岐たちの提携案とは別のプランを練っていた。壹岐と里井はデトロイトのフォーク社を訪れる。そこでフォーク会長(アレキサンダー・バリ)との会談を行った。フォーク会長は、里井の“新たな合弁会社”という提案に興味を示す。そして、千代田自動車の経営状況を調査したのちに検討すると言った。

千里との約束の日。ニューヨークのレストランで2人は食事をする。店を出たとき、千里は「もう少し話がしたい」と壹岐に言葉をかける。壹岐は千里をアパートの自室に招き、そこで結ばれる…。

03/11 第19話


03/04 第18話


02/25 第17話


02/18 第16話


02/11 第15話


02/04 第14話


01/28 第13話


01/21 第12話


01/14 第11話


12/17 第10話


12/10 第9話


12/03 第8話


11/26 第7話


11/19 第6話


11/12 第5話


11/05 第4話


10/29 第3話


10/22 第2話


10/15 第1話

キャスト
壹岐正 / 唐沢寿明(からさわとしあき)
1912年生まれ。陸軍大学校を首席で卒業したエリート軍人である。
第二次大戦中は、軍の最高統帥機関だった大本営の参謀として作戦立案をしていた。
終戦を受け入れない関東軍を説得するため、停戦命令書を携えて満州に向かう先でソ連軍に拘束された。
その後軍事裁判で強制労働25年の刑を宣告、シベリア極北の流刑地ラゾに送られた。
11年間に及ぶ強制労働に耐え昭和31年に帰国。
帰国後近畿商事に入社。
兵頭信一良 / 竹野内豊(たけのうちゆたか)
近畿商事東京支社鉄鋼部勤務。
陸軍士官学校の壹岐の後輩にあたる。
近畿商事の将来を世界的な視点でとらえている。
商社の世界に戸惑う壹岐の、良き理解者となる。
壹岐佳子 / 和久井映見(わくいえみ)
壹岐正の妻。
壹岐の陸軍大学校時代の担当教官であった坂野の娘である。
壹岐のシベリア抑留中は女手ひとつで二人の子供を育てた。
大阪府庁で働いている。
壹岐直子 / 多部未華子(たべみかこ)
壹岐の娘。
佳子の苦労を目の当たりにしてきたため、壹岐に二度と戦争には関わらないでほしい、と懇願した。
父の商社就職を心から喜んでいる。
川又伊佐雄 / 柳葉敏郎(やなぎばとしろう)
防衛庁の空将補で、噂によると次期空幕長らしい。
自衛隊のあり方に疑問を抱いているので、自分が空幕長になって、自衛隊を国民に認められるものに変えたいと考えている。
壹岐とは陸軍士官学校時代からの同期で、親友。壹岐がシベリアに抑留されている間は佳子に仕事を紹介するなど、壹岐家を支えた。

貝塚道生 / 段田安則(だんたやすのり)
防衛庁官房長。
警察出身の元内務省役員。鮫島と手を結び、防衛庁の次期主力戦闘機にグラント社のスーパードラゴンを採用するよう総理派に働きかけている。
芦田国雄 / 古田新太(ふるたあらた)
川又の部下。防衛部の防衛課計画班長。
小出とは防衛庁空幕時代の同僚である。
金と女に目がないが、気の弱い臆病な男。
谷川正治 / 橋爪功(はしづめいさお)
満州関東軍の幕僚。
壹岐ともどもシベリアに送還。
帰国後は、シベリア帰還者と遺族のための組織「朔風会」運営。
竹村勝 / 中丸新将(なかまるしんしょう)

秋津紀武 / 中村敦夫(なかむらあつお)
大陸鉄道司令官、中将。
壹岐とはシベリア抑留中にハバロフスクで再会した。
極東軍事裁判に、ソ連側の証人として出廷することを強要され、一度はそれを受け入れた。

秋津精輝 / 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)
秋津中将の息子で、千里の兄。
フィリピンで終戦を迎えた。多くの部下を死なせてしまったことに大きな責任を感じ、仏門に入って厳しい修業をしている。
秋津千里 / 小雪(こゆき)
大陸鉄道司令官・秋津中将の娘。
京都に住んでいる。夢は陶芸家である。
壹岐に「父の最期について話を聞かせてほしい」と手紙を送る。
亡き父の面影を感じさせる壹岐に心を惹かれる。
久松清蔵 / 伊東四朗(いとうしろう)
経済企画庁長官。
国防会議のメンバー。国防会議では防衛庁の次期主力戦闘機を決定する。
壹岐とは、戦時中に早期和平工作について議論しあった仲で、旧知の間柄である。
政界や官僚とのつながりがとても広い。
田原秀雄 / 阿部サダヲ(あべさだを)
毎朝新聞政治部記者。
現在は防衛庁の、次期主力戦闘機の機種決定に関連する問題を取材中。
ジャーナリスト魂にあふれる人間。
新聞記者ならではの情報で、鋭い視点で壹岐らに迫る。
浜中紅子 / 天海祐希(あまみゆうき)
クラブ「ル・ボア」経営者の娘。
店でピアノの弾き語りをしている。
情報通で、商社の人間とも交流が深い。
兵頭とは以前からの顔なじみ。
鮫島辰三 / 遠藤憲一(えんどうけんいち)
東京商事航空機部長。
「航空機の東京商事」という実績を築いた人物である。
防衛庁の次期主力戦闘機には、グラント社のスーパードラゴンを推している。
目的のためには手段を選ばない男で、別名「空のギャング」。

大門一三 / 原田芳雄(はらだよしお)
近畿商事代表取締役社長。
開拓精神旺盛で、大局を見極め大胆な施策を打ち出すトップらしさ溢れる人物。
近畿商事の国際化にあたって、壹岐の情報収集力や状況分析力に目をつけ、近畿商事で働かないかと誘う。
里井達也 / 岸部一徳(きしべいっとく)
近畿商事東京支社長。
鉄鋼や航空機を扱う東京支社のトップ。防衛庁の次期主力戦闘機受注を獲得するために、防衛庁の中枢と太いパイプを持つ壹岐を航空機部に異動させればよいと提案する。防衛庁の次期主力戦闘機にラッキード社のF104を推している。
松本晴彦 / 斉木しげる(さいきしげる)

小出宏 / 松重豊(まつしげゆたか)
近畿商事東京支社航空機部に勤務。
防衛庁の次期主力戦闘機受注のために、川又の部下である芦田に接触。
かつては防衛庁の防衛部調査課班長であったが、近畿商事に機密情報を漏らしたことが発覚しかけたのをきっかけに近畿商事に入社という過去を持つ。
自分を拾ってくれた近畿商事に恩義を感じて、実績を挙げようとしている。
海部要 / 梶原善(かじはらぜん)

塙四郎 / 袴田吉彦(はかまだよしひこ)


不毛地帯特集ページ
ドラマコーナー
ドラマ一覧

サイトのご案内へ
無制限99円 取り放題[TOP]

JASRAC許諾番号
6834131007Y41011
Blau