不毛地帯
[第17話]
02/25放送

イラン・サルベスタン鉱区の国際入札に際して、日本石油公社グループとではなくオリオン・オイル社との入札に参加に踏み切った近畿商事。壹岐(唐沢寿明)と兵頭(竹野内豊)は、他社の入札価格情報を得るためにイラン国王側近の医師・フォルジ(アルフレド・ベナベント)と会うことを試みていた。紅子(天海祐希)の協力で、フォルジとの面会する約束を取り付けた壹岐たちだったが、フォルジが指定してきた場所は、壹岐が世界大戦中に抑留されていたモスクワ国内だった。捕虜時代の苦しい経験から抜け出せない壹岐はモスクワへいくことを拒んでいたが、結局、行くことを決意する。

壹岐たちはソ連に入国するとフォルジの代理人の別荘を訪れ、面会を果たした。

一方、日本石油公社グループは日本のトップ企業を集めた経済ミッションを組織し、イランへ派遣した。経済ミッションに同行した東京商事の鮫島(遠藤憲一)は、テヘランに兵頭の姿がないことを不審に思った。

そこで、鮫島はテヘランで兵頭が泊まっていたホテルのメイドを金で買収すると、兵頭の部屋に忍び込み、兵頭がモスクワに行っていることを掴む。さらに直子に電話をかけて言葉巧みに壹岐もモスクワに行っていることを知った。

近畿商事がイラン国王の側近と会っていると悟った鮫島は、取り決めた入札価格に500万ドル上乗せすることを提案した。

その頃、千里(小雪)は、兄・清輝(佐々木蔵之介)と面会するために比叡山を訪れていた。千里は、“日本陶芸展”が終わったら、シルクロードへ行くことを告げる。

ソ連から帰国した壹岐は、近畿商事社長・大門(原田芳雄)に、入札価格の情報を得るための交換条件を伝える。それは、アメリカ軍が所有する戦闘機「F14」だった。

いよいよ入札が行われる2日前。兵頭はフォルジ邸を訪れていた。そこで1冊の詩集を渡される。フォルジは「それが処方箋だ」と言った。次の日の夜、近畿商事のテヘラン事務所に、フォルジから電話が入った。フォルジはゆっくりと2つの詩を読み上げて電話を切る。それらの詩は36ページと105ページに書かれている。フォルジは入札価格を2つのページ数を掛け算した価格で表したのだ。

3780万ドル――兵頭からの連絡を受けた壹岐は大門に価格を報告する。
値段が高いことに難色を示した大門だったが、壹岐はとして取り決めた3600万ドルを超えていることに難色を示した。壹岐は、上限を4000万ドルにまで引き上げることを納得させる。

入札日。近畿商事とオリオン・オイル社は3990万ドルの価格を提示した。

翌日、結果が発表された。一番札を入札したのは近畿商事とオリオン・オイル社だった。入札価格の第2位は西ドイツのデミネックス社で3950万ドル、第3位は日本石油公社グループで3900万ドルだったそうだ。

知らせを聞いた壹岐は、イラン・サルベスタン鉱区を落札したことを毎朝新聞の記者・田原秀雄(阿部サダヲ)に連絡する。翌日、毎朝新聞の一面は近畿商事の快挙を伝える記事が踊った。

その夜、壹岐は直子の家を訪ねた。直子は壹岐がソ連に行っている間に鮫島からの電話があったことを壹岐に話す。そこに突然、鮫島が訪ねてきた。鮫島は何もなかったように「これからは公私ともども、壹岐と付き合わせてもらう」と言い出したのだ。

イラン・サルベスタン鉱区の石油開発の権利を得た近畿商事を日本石油公社が支援することが決まったのだ。そこで東京商事もサルベスタン鉱区の採掘に資本参加するつもりだと鮫島は告げるのだった。

テヘランを訪れた壹岐たちは、無事に調印式を済ませる。これが壹岐にとって、過酷な石油ビジネスの戦いの始まりだった…。

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キャスト
壹岐正 / 唐沢寿明(からさわとしあき)
1912年生まれ。陸軍大学校を首席で卒業したエリート軍人である。
第二次大戦中は、軍の最高統帥機関だった大本営の参謀として作戦立案をしていた。
終戦を受け入れない関東軍を説得するため、停戦命令書を携えて満州に向かう先でソ連軍に拘束された。
その後軍事裁判で強制労働25年の刑を宣告、シベリア極北の流刑地ラゾに送られた。
11年間に及ぶ強制労働に耐え昭和31年に帰国。
帰国後近畿商事に入社。
兵頭信一良 / 竹野内豊(たけのうちゆたか)
近畿商事東京支社鉄鋼部勤務。
陸軍士官学校の壹岐の後輩にあたる。
近畿商事の将来を世界的な視点でとらえている。
商社の世界に戸惑う壹岐の、良き理解者となる。
壹岐佳子 / 和久井映見(わくいえみ)
壹岐正の妻。
壹岐の陸軍大学校時代の担当教官であった坂野の娘である。
壹岐のシベリア抑留中は女手ひとつで二人の子供を育てた。
大阪府庁で働いている。
壹岐直子 / 多部未華子(たべみかこ)
壹岐の娘。
佳子の苦労を目の当たりにしてきたため、壹岐に二度と戦争には関わらないでほしい、と懇願した。
父の商社就職を心から喜んでいる。
川又伊佐雄 / 柳葉敏郎(やなぎばとしろう)
防衛庁の空将補で、噂によると次期空幕長らしい。
自衛隊のあり方に疑問を抱いているので、自分が空幕長になって、自衛隊を国民に認められるものに変えたいと考えている。
壹岐とは陸軍士官学校時代からの同期で、親友。壹岐がシベリアに抑留されている間は佳子に仕事を紹介するなど、壹岐家を支えた。

貝塚道生 / 段田安則(だんたやすのり)
防衛庁官房長。
警察出身の元内務省役員。鮫島と手を結び、防衛庁の次期主力戦闘機にグラント社のスーパードラゴンを採用するよう総理派に働きかけている。
芦田国雄 / 古田新太(ふるたあらた)
川又の部下。防衛部の防衛課計画班長。
小出とは防衛庁空幕時代の同僚である。
金と女に目がないが、気の弱い臆病な男。
谷川正治 / 橋爪功(はしづめいさお)
満州関東軍の幕僚。
壹岐ともどもシベリアに送還。
帰国後は、シベリア帰還者と遺族のための組織「朔風会」運営。
竹村勝 / 中丸新将(なかまるしんしょう)

秋津紀武 / 中村敦夫(なかむらあつお)
大陸鉄道司令官、中将。
壹岐とはシベリア抑留中にハバロフスクで再会した。
極東軍事裁判に、ソ連側の証人として出廷することを強要され、一度はそれを受け入れた。

秋津精輝 / 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)
秋津中将の息子で、千里の兄。
フィリピンで終戦を迎えた。多くの部下を死なせてしまったことに大きな責任を感じ、仏門に入って厳しい修業をしている。
秋津千里 / 小雪(こゆき)
大陸鉄道司令官・秋津中将の娘。
京都に住んでいる。夢は陶芸家である。
壹岐に「父の最期について話を聞かせてほしい」と手紙を送る。
亡き父の面影を感じさせる壹岐に心を惹かれる。
久松清蔵 / 伊東四朗(いとうしろう)
経済企画庁長官。
国防会議のメンバー。国防会議では防衛庁の次期主力戦闘機を決定する。
壹岐とは、戦時中に早期和平工作について議論しあった仲で、旧知の間柄である。
政界や官僚とのつながりがとても広い。
田原秀雄 / 阿部サダヲ(あべさだを)
毎朝新聞政治部記者。
現在は防衛庁の、次期主力戦闘機の機種決定に関連する問題を取材中。
ジャーナリスト魂にあふれる人間。
新聞記者ならではの情報で、鋭い視点で壹岐らに迫る。
浜中紅子 / 天海祐希(あまみゆうき)
クラブ「ル・ボア」経営者の娘。
店でピアノの弾き語りをしている。
情報通で、商社の人間とも交流が深い。
兵頭とは以前からの顔なじみ。
鮫島辰三 / 遠藤憲一(えんどうけんいち)
東京商事航空機部長。
「航空機の東京商事」という実績を築いた人物である。
防衛庁の次期主力戦闘機には、グラント社のスーパードラゴンを推している。
目的のためには手段を選ばない男で、別名「空のギャング」。

大門一三 / 原田芳雄(はらだよしお)
近畿商事代表取締役社長。
開拓精神旺盛で、大局を見極め大胆な施策を打ち出すトップらしさ溢れる人物。
近畿商事の国際化にあたって、壹岐の情報収集力や状況分析力に目をつけ、近畿商事で働かないかと誘う。
里井達也 / 岸部一徳(きしべいっとく)
近畿商事東京支社長。
鉄鋼や航空機を扱う東京支社のトップ。防衛庁の次期主力戦闘機受注を獲得するために、防衛庁の中枢と太いパイプを持つ壹岐を航空機部に異動させればよいと提案する。防衛庁の次期主力戦闘機にラッキード社のF104を推している。
松本晴彦 / 斉木しげる(さいきしげる)

小出宏 / 松重豊(まつしげゆたか)
近畿商事東京支社航空機部に勤務。
防衛庁の次期主力戦闘機受注のために、川又の部下である芦田に接触。
かつては防衛庁の防衛部調査課班長であったが、近畿商事に機密情報を漏らしたことが発覚しかけたのをきっかけに近畿商事に入社という過去を持つ。
自分を拾ってくれた近畿商事に恩義を感じて、実績を挙げようとしている。
海部要 / 梶原善(かじはらぜん)

塙四郎 / 袴田吉彦(はかまだよしひこ)


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