それでも、生きてゆく
[第1話]
07/07放送

深見達彦(柄本明)と息子・洋貴(瑛太)は、細々と湖で釣り船屋を営んでいた。その湖は、15年前に洋貴の妹が“少年A”に殺害された場所だった。当時、妹は小学校1年生だった。

娘が殺された深見家はバラバラになった。洋貴は父親と一緒に暮らす。洋貴の弟・耕平(田中圭)は、日垣家の養子になり、母親の響子(大竹しのぶ)も居候するようになる。

遠山双葉(満島ひかり)は、家族と共に、世間から隠れるように暮らしている。15年前、双葉の兄・三崎文哉(風間俊介)は小学校1年生の女の子を殺して遺体を湖に捨てたのだ。三崎家は両親が離婚し、文哉の兄弟は母親の姓を名乗った。しかし離婚したものの、一家は一緒に生活していた。

三崎一家の離婚の理由は、謎の人物からの嫌がらせだった。三崎家の人々の周辺に“殺人を犯した少年Aの家族”というビラがばら撒かれたのだ。就職先、学校、婚約者宅…。それはどんなに転居を繰り返しても、夫婦が離婚をしても、その嫌がらせは続いた。双葉は嫌がらせをしているのは、妹を殺された洋貴だと思っていた。「私が何とかするから」そうつぶやくと、双葉は家を出る。

双葉は洋貴たちが営む釣り船屋訪ねた。双葉がたった一人で湖にやってきたので、洋貴は双葉を自殺志願者だと勘違いをする。洋貴は双葉に“似たような境遇”を感じていた。

数日間、洋貴と行動を共にした双葉は、洋貴が“嫌がらせ”をしている人物でないことを知る。さらに娘を殺された深見家族の“底知れぬ癒されない傷”にも触れる。

双葉は、洋貴と行動を共にしている間に、文哉が医療刑務所を出所している事実を知る。刑期は僅かに8年。達彦が調べていたのだ。達彦によれば、文哉は人を殺した罪を全く反省していないという。末期癌に冒されていた達彦は、自分の手で文哉を殺そうとしたが、それも叶わなかった。双葉は、達彦の深い無念、洋貴の深い悲しみを知る。

達彦の病死後、洋貴は“父の想い”を継ぎ、自らの手で文哉を殺そうとするが、あと少しのところで双葉に邪魔をされる。ここで始めて、洋貴は双葉が文哉の娘だと知るのだった…。

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07/07 第1話

キャスト
深見洋貴 / 瑛太(えいた)
中学生の時、友人に7歳の妹を殺害された兄。
母親から妹の世話を頼まれていたが約束を守らず事件が起こってしまい、自責の念を抱えている。
家庭が壊れてしまってからは父親と暮らすが、父親の死に際にその思いを知り、それを受け継ぐように15年の時を経て行動に出る。
遠山(三崎)双葉 / 満島ひかり(みつしまひかり)
洋貴の妹を殺害した少年Aの妹。加害者家族として引越を繰り返しながらひっそりと生きてきた。
兄のことが大好きで、殺人を起こしたことが信じられなかった。
引越しを繰り返すがその度に嫌がらせが続き、被害者家族が嫌がらせをしているのではないかと思い、
洋貴に辞めてもらうようお願いするため近づく。
洋貴の家族の思いを間近で知り、加害者家族である自分の立場に戸惑い始める。
雨宮健二(三崎文哉) / 風間俊介(かざましゅんすけ)
中学時代の洋貴の友人で、洋貴の妹を殺害した少年A。現在は名前を変えて社会復帰している。
保護司の紹介である果樹園農家に住みこみで働いているが、家族の誰とも連絡をとっていない。
妹・双葉に偶然出会ってからはコンタクトを取り始める。
果樹園農家の娘・真岐に好意を持たれるが、彼の過去を知る女性がやってきてバランスが崩れてしまう。

日垣耕平 / 田中圭(たなかけい)
洋貴の弟で、殺害された少女の兄。事件当時は小学6年生だった。
現在は日垣の婿養子となっており、妻と1歳の子どもがいる。
家族が崩壊したのは父親のせいだと憤り、兄・洋貴のふがいなさに反発する。
日垣家に恩を感じており、家族と母親のためにも事件を忘れようとしている。
遠山(三崎)灯里 / 福田麻由子(ふくだまゆこ)
双葉・健二の妹で現在中学3年生。
事件直後に生まれたため、当時のことを知らず少年Aである兄の面影もまったく知らない。
詳しいことを両親が語ってくれず、冷静に装うものの不満を抱えている。
兄を慕う姉を理解できない。
遠山(三崎)隆美 / 風吹ジュン(ふぶきじゅん)
加害者である健二と、双葉・灯里の母親。
良妻賢母で、夫の駿輔に従って生きてきた。
駿輔の提案もあり、子どもたちのためにも離婚して旧姓を名乗るが、家族一緒に行動している。
家族を守るために、健二のことは忌避している。
実はある秘密を抱えているが、胸中に秘めていようと決意した。

野本(深見)響子 / 大竹しのぶ(おおたけしのぶ)
殺害された少女と洋貴、耕平の母親。夫の言動に対する不信感のあまり離別し、
現在は次男の耕平が婿養子に入った家に同居している。
何事にも動揺しないほど心無い状態で生きており、母親ならではの殺された娘に対する懸念を胸に抱えている。

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