ありふれた奇跡
[第2話]
01/15放送

権藤(塩見三省)のセッティングで藤本(陣内孝則)と再び顔を合わせることとなった加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)。藤本から自殺しようと思った原因や感謝の言葉を聞き、心の中でホッとしていたが、そんな藤本から「同じ経験があるのでは?」と聞かれ、2人とも返答に困ってしまう。

翌日、加奈はメールで「自分も自殺を企てようとした」ことを翔太に告白する。そのメールに翔太も「自分もそうだ」と返信した。

その後、加奈と翔太は再び喫茶店で会う約束をする。約束どおり喫茶店で会った2人だったが、些細な気持ちのすれ違いから、加奈は突然、喫茶店を出てしまう。

加奈とのやりとりを後悔し、家でも、職場でも、そのことばかり考えている翔太の様子に気づいた祖父・四郎(井川比佐志)。しかし、父・重夫(風間杜夫)は四郎に言われるまで全然気づかなかった。

あれ以来、気まずくなった2人。翔太は加奈のことが気になり、加奈の家を探して歩いていると、「中城家」の門の内側で座りこんでいる加奈の祖母・静江(八千草薫)に、「ボランティアできる人?」と声をかけられる。
静江が言うには、出かける準備をして戸締まりも済ませてしまった家の中に、これから行く場所の地図を持ち忘れたと言う。そこで、静江は翔太に「(地図の入った)封筒を取ってきてほしい」と頼んだのだ。
「知らない人を家に入れて大丈夫か」と翔太は静江に聞くが、静江は「いい人は見ればわかる」とニコリと微笑んだ。

結局、翔太は、地図を片手に、静江をその場所まで連れて行くことになった。その場所とは加奈の母の「個展会場」だった。手づくりの人形が並ぶ会場で、静江から加奈の両親を紹介される翔太。翔太は静江に名前だけ名乗って、静かにその場を去った…。

一方、加奈は仕事の後、藤本と会っていた。警官の権藤から「もう、2人に会ってはいけない」ときつく言われた権藤だったが、加奈の携帯電話番号を調べて電話をかけてきたのだ。

藤本は一人が寂しいようだった。「ただコーヒーを一杯飲む間、一緒にいてほしかっただけ」と、藤本は加奈に言った。
そんな藤本に、加奈は「自分も自殺を試みた経験がある」「取り返しがつかないことをしてしまった」と告白した…。

それから数日後、静江と加奈が2人で夕食を食べた。後片付けをしている加奈に、静江はランティアをしてくれた親切な男の人のことを話し始める。その男の人が“翔太”だと気づいた加奈は、翔太に「私に興味があるなら家族にコッソリ近づくのではなく、私と向き合ってください」とメールをした。すると、翔太から「それは誤解だ」とメールが…。

再び会う約束をした2人。その時、翔太は決心をしていた。

加奈と翔太は再び喫茶店で会った。加奈は怒って帰ってしまったことを詫びる。そんな加奈に、翔太は「見せたいものがある」と言うと、おもむろに来ていたコートを脱ぐと、その下には、汚れた作業着を着ていた。そして自分が左官業をしていることを告白する…。翔太は本当の自分を加奈に伝えたかったのだった。

作業着姿を恥じている翔太に、加奈は「カッコいい」と褒める。しかし店員は加奈と翔太のテーブルにやってくると、翔太に向かって「コートをお召しになってください」と言った。
それを聞いた加奈は「作業着のどこがいけないんですか」と店員に言うと、コーヒー代を支払い、翔太を連れて足早に店を出てしまう。

恋人としてではなく、友人として――2人の付き合いが“今”始まった…。

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キャスト
中城加奈 / 仲間由紀恵(なかまゆきえ)
業務用厨房機器を販売する会社に務めている女性。
販売すると言っても一台一台売って回るわけではなく、業界関係者を正体して、大量の調理ができる機器を使用してクッキングライブにてプレゼンテーションをするのが彼女の仕事だ。
常に笑顔で明るい毎日を過ごしているように見える彼女だが、実は誰にも言えない秘密の過去を抱えているのであった。
そんな彼女がある日、駅で自殺しようとしている男を止めたことがきっかけで、彼女の秘密が徐々に紐解かれようとしていた。
田崎翔太 / 加瀬亮(かせりょう)
建物の外壁塗装の仕上げを行う左官職人と呼ばれる仕事をしている男。祖父の四郎の下で工事現場などを渡り歩く毎日を送っている。
この男も誰にも言えない心に大きな傷を抱えていた。
そんな彼があることをきっかけに、同じような境遇の加奈と出会い、
人生に大きな変化が現れるのであった。
中城桂 / 戸田恵子(とだけいこ)
加奈の母で、普段は自宅の一室にて人形教室を開いて生徒を集めている。
展示会もよく開催しており、常に展示会に向けての準備に追われているといった感じである。
社交的の当たり障りのない性格だが、姑の静江には何かと気を使わされている。
最近は加奈の様子がおかしいことに気がついてきていたものの、
その理由に全く検討がついていないといった様子である。
中城朋也 / 岸部一徳(きしべいっとく)
加奈の父でごくごく普通のどこにでもいるサラリーマンといったところ。
性格ももちろん穏やかで人と争うことを好まない平和主義者である。
そのためこれと言って説明する特徴もない。
中城静江 / 八千草薫(やちぐさかおる)
加奈の祖母で加奈たちと一緒に暮らしている。
年齢が年齢なだけに自身の老いは感じているものの、常に行動的で楽観的で老後を楽しんでいる女性といえる。
加奈とは友人のように仲がよい。
そんな静江だが、実は加奈の知らないところで翔太と知り合っていたのである。
果たしてこれは偶然なのか。
田崎重夫 / 風間杜夫(かざまもりお)
翔太の父で家業の左官業を継がずに市の関東水道局に勤務している。
5年前に妻と別れて以来、翔太は田崎家で男に囲まれて育ってきた。
そんなある日、出て行った妻が突然重夫の目の前に現れた…。
藤本誠 / 陣内孝則(じんないたかのり)
加奈と翔太が出会うきっかけを作った男。
きっかけと言っても決していいものではなく、自殺しようとしていたこの男を2人が引き止めたのであった。
しかし、誠は2人に対し自殺なんてこれっぽっちも考えてなかったと否定。
自殺は考えていなかったが、どうやらこの男にも誰にも言えない秘密の過去がありそうだ。
神戸幸作 / 松重豊(まつしげゆたか)
左官職人として働く男で、普段は翔太の先輩として指導をしている。
現在は北海道に家族を残し、単身で東京へ出稼ぎに来ている単身赴任。
人と交流を持つことをあまり得意とせず、毎日黙々と仕事をしている江戸の職人気質を持つ男である。

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